セルフホワイトニングサロンの開業備品リストと在庫管理|発注点の決め方

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セルフホワイトニングサロンの開業備品は、「施術ブース」「衛生・消耗品」「受付・会計」「店舗の設備と安全」「書類・掲示物」の5つに分けて洗い出すと、買い忘れや重複を防げます。この記事では、開業準備中の人に向けて、分類ごとの備品リスト、購入前に確認したい安全表示(電気用品安全法のPSEマーク)、経費や減価償却の扱い(国税庁の資料で確認)、消耗品を切らさないための発注点の決め方を仮定の試算つきでまとめます。特定のメーカーや商品をすすめるものではありません。

備品は5つに分けて洗い出す

備品リストは、内装工事が終わる前に作り始めるのが理想です。コンセントの位置、棚を置く場所、ブースの広さが決まる前に「何をどこに置くか」を決めておくと、工事のやり直しや買い直しを減らせます。

分類主な中身決めておくこと
施術ブース照射器、いす、鏡、小さな台、ごみ箱、タイマーブースの数と、1ブースに置くものの組み合わせ
衛生・消耗品ジェル、マウスオープナー、紙コップ、歯ブラシ、ペーパータオル、清掃・消毒用品1回に使う数と、在庫を置く場所
受付・会計受付台、パソコンやタブレット、決済端末、レシート用紙、待合いす予約・会計をどの機器で行うか
店舗の設備と安全照明、空調、洗面台、消火器、防犯設備、救急箱物件側で用意されているものと、自分で用意するものの区別
書類・掲示物同意書、説明書、料金表、特定商取引法にもとづく書面、カルテや同意書の保管用品どの書類を紙で、どれを電子で管理するか

開業費用全体の内訳と試算は「セルフホワイトニングサロンの開業費用はいくら?内訳と2つの試算例で解説」で説明しています。この記事では、そのうち備品と消耗品を具体的なリストに落とし込みます。

施術ブースの備品リスト

ブースの備品は、ブースの数だけそろえるものと、店に1つあればよいものに分けて数えます。

備品数の考え方選ぶときの確認点
照射器ブース数+予備を検討PSEマークと届出事業者名の表示、取扱説明書、保証と修理の窓口
いすブース数照射器との高さの相性、汚れを拭き取れる素材か
鏡ブース数利用者が自分の口元を見ながら作業できる位置に置けるか
小さな台・トレーブース数ジェルや紙コップを置いても安定するか、拭き取りやすいか
タイマーブース数(照射器に内蔵なら不要)利用者が自分で操作しやすいか
ごみ箱ブース数ふた付きか、使い捨て用品をすぐ捨てられる位置か
うがい・洗面の設備店に1か所以上物件に給排水があるか。ない場合の代わりの方法

照射器は施術の中心になる機器です。医療機器にあたるかどうか、購入とリースのどちらにするか、保守の内容などは「セルフホワイトニング用LED照射器の選び方|購入とリースの比較と安全性の確認点」で詳しく説明しています。

電気を使う備品は表示を確認する(PSEマーク)

照射器のほか、パソコン、決済端末の充電器、空気清浄機、延長コードなど、店には電気を使う備品が多くあります。経済産業省によると、電気用品安全法では、PSEマークなど法令で決められた表示が付いていない電気用品は、販売したり販売の目的で陳列したりしてはならないとされています(2026年10月29日確認)。

サロンは電気用品を販売する立場ではないことが多いですが、表示のない製品は国内向けの安全基準への適合が確認されていない可能性があります。購入するときは、次の点を見てください。

  • PSEマークがあるか:本体、電源コード、ACアダプターに表示があるか。マークは特定電気用品がひし形、それ以外の電気用品が丸形
  • 届出事業者名があるか:経済産業省の販売事業者向け資料では、PSEマークの近くに届出事業者名などが表示されているかを確認点に挙げている
  • 表示が消えにくい形で付いているか:シールがはがれかけている、手書きで書き足されているなどの状態は避ける
  • 海外向けの製品でないか:電圧やプラグの形状が日本向けか、日本語の取扱説明書があるか

延長コードや電源タップは、ブースの数だけ使うと容量を超えることがあります。照射器を複数台使う場合は、内装工事の段階で電気工事の担当者にコンセントの位置と回路を相談しておきます。

衛生・消耗品のリストと1回あたりの使用数

消耗品は「1回の施術で何をいくつ使うか」を先に決めると、開業時の仕入れ量と毎月の発注量を計算しやすくなります。以下は使用数を決めるための表の例です(数は店の手順に合わせて決めてください)。

消耗品1回に使う数(記入例)管理の注意点
ジェル容器の容量と1回の使用量から割り戻すロット番号・開封日・使用期限を記録する
マウスオープナー1個(使い捨ての場合)使い回さない。サイズ違いを用意するか決める
紙コップ1〜2個うがい用とジェル用で分けるか決める
歯ブラシ1本持ち帰り可にするか決める
ペーパータオル・ティッシュ数枚ブースごとに補充のタイミングを決める
清掃・消毒用品1回ごとにブースを拭く分照射器やいすの素材に使える製品か、取扱説明書で確認する

ジェルなど口に入るものの仕入れ先選び(表示・成分・ロットの確認)は、別の記事で詳しく扱います。この記事では、在庫を切らさない仕組みに絞って説明します。

受付・会計、店舗の設備と安全、書類の備品

受付・会計

  • 受付台、待合いす、荷物置き
  • 予約管理・顧客管理に使うパソコンやタブレット、通信回線
  • 決済端末、レシート用紙、つり銭(現金を扱う場合)、手提げ金庫

予約の受け方や顧客情報の管理方法は「サロンの予約・顧客管理の仕組みづくり|予約システムの選び方と無断キャンセル対策」で説明しています。

店舗の設備と安全

  • 照明、空調、換気、洗面台(物件の設備で足りるか確認)
  • 消火器などの消防用設備(物件側の設備とテナントが用意するものを管理会社に確認)
  • 救急箱、利用者の気分が悪くなったときに休める場所
  • 防犯カメラ・鍵付きの収納(現金や顧客の書類を置く場合)

東京消防庁は、店舗の出店や入居で建物を使い始めるときは、使用開始日の7日前までに「防火対象物使用開始届出書」を、内装の模様替えや間仕切りの変更などをするときは、着手の7日前までに「防火対象物工事等計画届出書」を届け出る必要があると案内しています。消防用設備として何が必要かは建物によって違うため、建物の住所を管轄する消防署の予防課に問い合わせるよう案内されています。東京以外でも、出店地の消防本部に確認してください。開業までの手続き全体は「セルフホワイトニングサロン開業までのスケジュールと必要な手続き」にまとめています。

書類・掲示物

  • 同意書・施術前の説明書(利用を控えてほしい人、注意事項)
  • 料金表・メニュー表(料金の条件をはっきり書いたもの)
  • 回数券や月額プランを扱う場合の契約書面
  • 記入済みの同意書やカルテを保管する、鍵のかかる収納

同意書やカルテには氏名・連絡先などの個人情報が含まれます。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)では、事業者が講じるべき安全管理措置の一つとして、書類や機器の盗難などを防ぐ「物理的安全管理措置」が挙げられています。紙の書類は鍵のかかる場所に保管し、持ち出しや廃棄のルールを決めておきます。

購入した備品の経費と減価償却の扱い

備品を買ったときの経費の扱いは、1つあたりの金額で変わります。国税庁のタックスアンサーでは、次のように案内されています(2026年10月29日確認)。

取得価額扱い
10万円未満(または使用可能期間が1年未満)使い始めた年に全額を必要経費にする
10万円以上20万円未満一定の要件のもとで、3年間で3分の1ずつ必要経費にできる
10万円以上40万円未満(2026年3月31日までの取得は30万円未満)一定の要件を満たす青色申告者は、年300万円までの範囲で、使い始めた年に全額を必要経費にできる特例がある(2029年3月31日までの取得が対象)
上記以外法定耐用年数に応じて減価償却する

10万円未満かどうかは、所得税基本通達49-39により、通常1単位として取引されるその単位ごとに判定します。工具、器具及び備品は「1個、1組又は1そろい」ごとです。たとえば1脚3万円のいすを3脚買った場合(合計9万円)は、1脚ごとに見て10万円未満です。まとめて買った合計額ではなく、1単位ごとに判定する点に注意してください。

耐用年数は、国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」で資産の種類ごとに決まっています。備品に関係しそうな例は次のとおりです。

資産の種類(器具及び備品など)耐用年数
理容又は美容機器5年
接客業用の応接セット、その他の家具(接客業用)5年
陳列だな・陳列ケース(冷凍機・冷蔵機付き以外)8年
冷房用・暖房用機器6年
パーソナルコンピュータ(サーバー用を除く)4年
看板・ネオンサイン3年
店用簡易装備(建物附属設備)3年

照射器や特定の備品がどの区分に当たるかは、構造や用途で判断が分かれる可能性があります。購入額が大きいものは、領収書と仕様書を残し、税理士に確認してください。消耗品は、使ったときに経費にするのが原則で、毎期おおむね一定量を買って経常的に使うものは、買ったときに経費にする扱いが認められる場合があります(国税庁の法人税基本通達2-2-15。個人事業の場合も含め、扱いは税理士に確認してください)。

消耗品を切らさない在庫管理:発注点の決め方

消耗品の欠品は、予約を受けられない、または手順を変えて対応するといった形で、そのまま利用者に影響します。「在庫がこの数を下回ったら発注する」という発注点を、品目ごとに決めておくのが基本です。

発注点の目安は、次の式で考えます。

  • 発注点 = 1日あたりの使用数 ×(発注してから届くまでの日数 + 予備の日数)

以下は説明のための仮定です。月の施術回数250回、月の営業日25日、マウスオープナーは1回1個、発注から納品まで5営業日、予備として5営業日分を持つとします。

  • 1日あたりの使用数:250回 ÷ 25日 = 10個
  • 発注点:10個 ×(5日 + 5日)= 100個
  • 1回の発注で30営業日分を頼む場合:10個 × 30日 = 300個。在庫が発注点の100個になった時点で300個を発注すると、納品時には予備の約50個(5日分)が残っている計算

計算の確認:250÷25=10。10×(5+5)=100。発注から納品までの5日間で10×5=50個を使うため、納品時の在庫は100−50=50個、納品後は50+300=350個です。

在庫管理を続けるための運用ルールの例です。

  1. 品目ごとに「発注点」「1回の発注数」「発注先」「納期」を1枚の表にまとめ、在庫の置き場所に貼る
  2. 週に1回、決まった曜日に在庫を数える。数えた人と日付を記録する
  3. 保管場所に、発注点の位置がわかる目印(箱の中の仕切りなど)を付ける
  4. 月末に、仕入れた数・残った数・施術回数を照らし合わせ、1回あたりの使用数が想定どおりか確認する
  5. キャンペーンなどで予約が増える月は、発注点を一時的に上げる

開業前の備品チェックリスト

  • ブース数に合わせて、照射器・いす・鏡・台・ごみ箱がそろっている
  • 電気を使う備品に、PSEマークと届出事業者名の表示がある
  • 照射器の取扱説明書、保証書、修理の連絡先を1か所にまとめた
  • コンセントの位置と容量を、内装・電気工事の担当者と確認した
  • 消耗品の1回あたりの使用数と、品目ごとの発注点を決めた
  • 開業から最初の発注分が届くまでの消耗品を確保した
  • 消防署への届出と、必要な消防用設備を管理会社・消防署に確認した
  • 同意書・説明書・料金表を用意し、記入済み書類の保管場所(鍵付き)を決めた
  • 備品の領収書・仕様書を保管し、経費の扱いを税理士と確認した

よくある質問

Q. 照射器の予備は用意したほうがよいですか?

A. 故障したときにブースが使えなくなると、その間の予約を受けられません。予備を買うか、修理期間中の代替機の貸し出しがあるかを保証・保守の内容で確認するかのどちらかで備えておくと安心です。どちらが合うかは、ブース数と修理にかかる日数で判断してください。

Q. 中古の照射器や備品を買っても問題ありませんか?

A. 中古品を選ぶ場合も、PSEマークと届出事業者名の表示、取扱説明書の有無、メーカーの修理を受けられるかを確認してください。保証がない、修理部品が手に入らないといった場合は、故障時の負担が大きくなります。

Q. 消耗品はどのくらいの量から仕入れればよいですか?

A. 1回あたりの使用数と、開業当初の予約見込みから、最初の発注分が届くまでに必要な量を計算します。この記事の仮定(1日10個、納期5日、予備5日)では、発注点は100個でした。使用期限のあるものは、使い切れる量にとどめてください。

Q. 10万円を超える備品は、すべて減価償却が必要ですか?

A. 10万円以上20万円未満の資産を3年で均等に経費にする方法や、一定の要件を満たす青色申告者が40万円未満(2026年3月31日までの取得は30万円未満)の資産を取得した年に全額経費にできる特例があります。どれを使えるかは申告の方法などで変わるため、税理士に確認してください。

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参考資料

執筆:ホワイトニング総研編集部(株式会社ピベルダ) 情報の確認日:2026年10月29日