ホワイトニングジェル・消耗品の仕入れ先の選び方|表示・成分・ロット・在庫

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セルフホワイトニングサロンのジェルや消耗品の仕入れ先は、価格の安さより先に「法令どおりの表示がされているか」「成分に問題がないか」「店の利用ペースに合ったロットと使用期限か」の3点で選ぶのが基本です。この記事では、開業準備中の人や運営中のオーナーに向けて、仕入れ前に確かめる表示と成分(厚生労働省・都道府県の公開資料で確認できた範囲)、最小ロットと在庫のバランスを仮定の数字で試算した例、仕入れ先に確認したい質問をまとめます。特定の仕入れ先や商品をすすめるものではありません。

仕入れ先を選ぶときの4つの観点

ジェルや使い捨て用品は、毎月決まって出ていく費用であり、利用者の口に入るものでもあります。仕入れ先を比べるときは、次の4つの観点を順番に確認すると判断しやすくなります。

観点確認すること確認しないと起きやすいこと
表示容器や外箱に、法令で求められる事項が日本語で書かれているか製造販売の責任者が分からず、不具合や回収のときに問い合わせ先がない
成分全成分表示の内容、配合が禁止されている成分が入っていないかサロンで使えない成分を含む製品を使ってしまう
ロットと使用期限最小発注数量、届いた時点で残っている使用期限、保管条件使い切る前に期限が切れ、廃棄が出る
取引条件単価、送料、納期、支払い条件、返品・交換の条件、資料の提供欠品や不良品のときに対応が遅れ、予約を断ることになる

このうち「表示」と「成分」は、価格や条件の交渉で変えられない部分です。ここで条件を満たさない製品は、どれだけ安くても候補から外すのが安全です。

ジェルの表示で確認すること

セルフホワイトニングで使うジェルが化粧品として流通している場合、医薬品医療機器等法(薬機法)第61条により、直接の容器や被包に記載すべき事項が決まっています。東京都の公開資料では、化粧品の記載事項として次の項目が整理されています(2026年10月29日確認)。

記載事項(薬機法第61条)店で確認するポイント
製造販売業者の氏名または名称と住所製品の責任を負う会社が日本国内の事業者として書かれているか。仕入れ先(卸・代理店)と同じとは限らない
名称見積書・納品書の商品名と一致しているか
製造番号または製造記号ロットごとに番号があるか。不具合があったときに、どのロットか特定するために控えておく
厚生労働大臣が指定する成分の名称成分が日本語で表示されているか(次の節で説明)
使用の期限(大臣が指定する化粧品の場合)期限の表示が必要な製品に、表示があるか

表示は邦文(日本語)で、消費者が読みやすいように記載することとされています。外国語だけの表示で、日本語のラベルや製造販売業者の記載が見当たらない製品は、国内で正しく流通している製品か確認が必要です。

和歌山県の化粧品ハンドブックでは、使用期限の表示が必要なものとして、適切な保存条件で3年以内に性状や品質が変わるおそれがある化粧品などが挙げられています。期限の表示がない製品でも、製造からの年数で品質が変わらないとは限らないため、仕入れ先に「開封前・開封後にどのくらいの期間で使い切るのが望ましいか」を聞いておきます。

成分で確認すること:全成分表示と配合禁止成分

化粧品は原則として、配合されている成分をすべて表示することとされています(全成分表示)。和歌山県の化粧品ハンドブックによると、表示のルールは次のとおりです。

  • 成分名は日本語で、配合量の多い順に書く(配合量1%以下の成分と着色剤は順不同でよい)
  • 原料に付随して入り、製品では効果を発揮しない微量の成分(キャリーオーバー成分)は表示しなくてよい
  • 香りづけの香料は「香料」とまとめて書いてよい

セルフホワイトニングのサロンで特に確認したいのが、過酸化物の有無です。厚生省告示「化粧品基準」では、化粧品に配合してはならない成分(別表第1)に過酸化水素や過ホウ酸ナトリウムが挙げられています。化粧品として売られているジェルの成分表にこれらの成分名があれば、表示か製品のどちらかに問題がある可能性が高いため、使わずに仕入れ先へ確認してください。

また、過酸化水素を含む歯科用のホワイトニング材について、厚生労働省は、歯科学的配慮が必要な過酸化水素を含む医療機器であり、歯科医師が患者ごとに使用が適当かを判断して渡すものという考え方を回答の中で示しています(2025年4月18日公表)。サロンの判断で同種の材料を用意して来店客に使わせることはできないと考えてください。照射器や材料が医療機器にあたるかの確かめ方は「セルフホワイトニングサロンで医療機器は使える?薬機法・歯科医師法から見るできること」で詳しく説明しています。

成分表を見るときの手順

  1. 見積もりの段階で、全成分表示の写し(容器・外箱の写真でもよい)をもらう
  2. 過酸化水素・過ホウ酸ナトリウムなど、配合禁止とされている成分名がないか確かめる
  3. 届いた製品の容器の表示が、事前にもらった成分表と同じか確かめる(リニューアルで成分が変わることがある)
  4. 成分表の写しを、仕入れ先・ロット番号と一緒に保管する

宣伝文句をそのまま使わない:効能表現と景品表示法

仕入れ先のカタログや販売ページには、製品の特長が書かれています。しかし、その表現を店の広告やメニュー表にそのまま使うと、店が表示の責任を負うことになります。

  • 化粧品で言える効能には範囲がある:和歌山県の化粧品ハンドブックに掲載された化粧品の効能の範囲では、「歯を白くする」「歯のやにを取る」などの表現は、使用時にブラッシングを行う歯みがき類に限るとされています。塗ってライトを当てる使い方のジェルについて「歯が白くなる」と広告するのは避けてください。
  • 根拠のない効果の表示:景品表示法では、商品やサービスの内容を実際より著しく優良だと示す表示(優良誤認表示)が禁止されています。消費者庁は、効果や性能の表示について、期間を定めて合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、提出できない場合は不当表示とみなされます(不実証広告規制)。

店の説明は「歯の表面の着色汚れのケア」など、事実として言える範囲にとどめます。仕入れ先が効果をうたう資料を出してきた場合は、その資料が客観的なデータか、店の使い方と同じ条件での結果かを確認し、確認できない表現は使わないのが安全です。

最小ロットと使用期限のバランス:仮定の試算

単価はロットが大きいほど安くなるのが一般的ですが、使い切れずに期限が切れれば、安く買った分以上の損になることがあります。以下は説明のための仮定で、実在する仕入れ先や製品の条件ではありません。

仮定:月の施術回数250回、ジェル1本で30回分、使用期限は納品から12か月。仕入れ先の条件は2通り。

条件(仮定)A:50本ロットB:100本ロット
1本あたりの単価4,500円4,000円
1回の発注額22万5,000円40万円
1回あたりのジェル代150円約133円
月の使用本数(250回÷30回)約8.3本
使い切るまでの期間約6か月約12か月

計算の確認:250÷30=8.33本/月。Aは50÷8.33=6.0か月、Bは100÷8.33=12.0か月。1回あたりはA:4,500÷30=150円、B:4,000÷30=133.3円。

すべて使い切れば、Bのほうが100本×(4,500−4,000)円=5万円安くなります。ところが、Bは使い切るまでの期間が使用期限と同じ12か月で、余裕がありません。

仮に、利用が2割減って月200回になったとします。月の使用本数は200÷30=約6.7本で、12か月で使えるのは約80本です。Bでは約20本が期限切れになり、20本×4,000円=8万円分を廃棄することになります。この場合、実際に使った80本の1本あたりの費用は40万円÷80本=5,000円で、Aの4,500円より高くなります。Aは月6.7本でも50÷6.7=約7.5か月で使い切れるため、期限内に収まります。

この試算から言えることは次のとおりです。

  • 大ロットの割引は「使い切れること」が前提。使い切るまでの期間が使用期限に近い場合は、小さいロットのほうが結果的に安くなることがある
  • 「納品時に残っている使用期限」を必ず確認する。製造から時間が経った在庫が届くと、使える期間はさらに短くなる
  • 発注額が大きいと、そのぶん現金が在庫として眠る。開業直後は特に、手元資金を優先して小さいロットから始める考え方もある

1回あたりの変動費と利益率の関係は「セルフホワイトニングサロンの原価と利益率の考え方」で詳しく説明しています。

消耗品の在庫管理と、回収・廃棄への備え

ジェル以外にも、マウスオープナー、紙コップ、歯ブラシ、ペーパータオル、清掃・消毒用品など、毎回使う消耗品があります。欠品すると予約を受けられなくなるため、次のルールを決めておきます。

  • 先入れ先出し:新しく届いたものを奥に置き、期限の近いものから使う。棚や箱に納品日と使用期限を書く
  • 保管条件を守る:直射日光や高温を避けるなど、容器や説明書に書かれた保管方法に従う。照明の熱が当たる場所や、窓際に置かない
  • ロット番号を控える:開封したジェルのロット番号と開封日を記録する。利用者から体調についての申し出があったとき、どのロットを使ったか確認できる
  • 回収情報を確認する:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)のサイトでは、2024年度以降の医薬部外品・化粧品などの回収情報を検索できる。使っている製品名で定期的に確認する
  • 期限切れ品の処分:店から出るごみは事業系のごみとして、事業者が自らの責任で処理することが廃棄物処理法第3条で定められている。少量でも家庭ごみとして市の収集に出せないとしている自治体もある(名古屋市など)ため、物件の管理会社や自治体のルールを確認する

なお、ジェルを大容量で仕入れて小さな容器に詰め替え、ラベルを貼って販売する場合は注意が必要です。和歌山県の化粧品ハンドブックでは、容器への充填や表示ラベルの貼り付けも「製造」にあたるとされており、許可が必要になる可能性があります。店内で施術のたびに取り分けて使う場合も含め、扱いが分からないときは都道府県の薬務担当課に相談してください。

物販用に仕入れる場合と、海外から仕入れる場合

ホームケア用品を店で販売することもあります。和歌山県の化粧品ハンドブックでは、他社が製造販売した化粧品を購入して販売する行為は「小売」であり、許可は必要ないとされています。一方で、自分で海外から化粧品を輸入して国内で流通させる場合は、製造業や製造販売業の許可が必要になるとされています。

税関の案内でも、化粧品などを販売目的で輸入するには製造販売業の許可が必要で、許可を受けた者でなければ業として輸入してはならないとされています。本人が使うための個人輸入とは扱いが異なります。海外の通販サイトで安く見つけた製品を、店で使ったり販売したりする目的で取り寄せるのは避け、国内の製造販売業者が責任を持って流通させている製品を選んでください。

物販用の商品も、店で使うジェルと同じく、表示・成分・使用期限を確認し、仕入れ先の宣伝文句をそのまま店頭POPに使わないようにします。

仕入れ先に確認したい質問リスト

見積もりを取るときや、取引を始める前に、次の質問を書面(メールでもよい)で確認しておくと、比較とトラブル時の対応がしやすくなります。

  1. 製造販売業者はどこですか。御社は製造販売業者ですか、それとも卸・販売代理店ですか
  2. 全成分表示の写しをもらえますか。成分が変わるときは事前に連絡がありますか
  3. 納品時点で、使用期限(または製造日からの期間)はどのくらい残っていますか
  4. 開封前・開封後の保管方法と、開封後に使い切る目安を教えてください
  5. 最小発注数量、単価、送料、納期はどうなっていますか。急ぎの追加発注はできますか
  6. 不良品や破損があった場合の交換・返品の条件と、連絡先を教えてください
  7. 回収や不具合の情報があったとき、取引先にどのように連絡がありますか
  8. 製品の特長として説明している内容の根拠資料はありますか(店の広告に使う予定がある場合)

回答は仕入れ先ごとに表にまとめ、価格だけでなく、すべての項目に答えてもらえたかも比べます。答えがあいまいな項目が多い仕入れ先は、問題が起きたときの対応にも不安が残ります。

よくある質問

Q. 仕入れ先は1社に絞ったほうがよいですか?

A. 発注や管理の手間は1社のほうが少なくなりますが、欠品や製品の仕様変更が起きると影響が大きくなります。ジェルなど施術に欠かせないものは、表示・成分を確認済みの代わりの候補を1つ用意しておくと安心です。ただし製品を切り替えるときは、成分表と使い方の説明を改めて確認し、スタッフにも共有してください。

Q. 成分表に過酸化水素と書かれたジェルを見つけました。使えますか?

A. サロンでは使わないでください。厚生省告示「化粧品基準」では過酸化水素は化粧品に配合してはならない成分とされており、過酸化水素を含む歯科用のホワイトニング材については、厚生労働省が医療機器であり歯科医師が患者ごとに使用の可否を判断するものという考え方を示しています。仕入れ先に製品の区分を確認してください。

Q. 使用期限が書かれていないジェルは、ずっと使えますか?

A. 期限の表示が必要ない製品でも、開封後の品質がずっと変わらないとは限りません。仕入れ先に開封前・開封後の使い切りの目安を確認し、開封日を容器に書いて管理してください。におい・色・状態に変化があるものは使わないでください。

Q. 大ロットで安く買うのと、小ロットで買うのとどちらがよいですか?

A. 月の使用量と使用期限から、使い切るまでの期間を計算して判断します。この記事の仮定では、使い切れればロットが大きいほうが5万円安くなる一方、利用が2割減ると期限切れで8万円分を廃棄し、かえって高くつきました。使い切るまでの期間が使用期限に近い場合は、小さいロットから始めるのが無難です。

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参考資料

執筆:ホワイトニング総研編集部(株式会社ピベルダ) 情報の確認日:2026年10月29日