フランチャイズ本部の選び方|比較表の作り方と説明会で聞く質問リスト

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セルフホワイトニングのフランチャイズ本部を選ぶときは、知名度や説明会の印象ではなく、各本部から同じ項目の情報を書面でもらい、一つの比較表に並べて比べるのが基本です。この記事では、加盟を検討している人に向けて、比較の前に決めておくこと、比較表の作り方、費用を同じ物差しにそろえる計算(仮定の試算)、説明会や既存加盟店で聞く質問を、中小企業庁と公正取引委員会の資料をもとに整理します。加盟を勧めるものでも、思いとどまらせるものでもなく、判断の材料をそろえるための手順です。

本部を比べる前に、自分の条件を決めておく

比較表の物差しは、本部ではなく自分の側にあります。先に次の点を書き出しておくと、説明会で聞く内容も絞れます。

  • 投資できる上限:自己資金と借入の合計でいくらまで出せるか。借入がある場合、毎月の返済額はいくらか
  • 運転資金の余裕:売上が計画を下回っても、何か月分の家賃・人件費・本部への支払いを払い続けられるか
  • 自分の関わり方:自分が店に立つのか、スタッフを雇って任せるのか。週に何時間を店舗に使えるか
  • 続ける期間と撤退の基準:何年続ける計画か。どの数字を何か月下回ったら見直すか
  • 譲れない条件:営業時間・休業日を自分で決めたい、他の事業と並行したい、内装は小さく始めたい など

中小企業庁の加盟希望者向け資料は、加盟店は本部とは別の独立した事業者として自分の責任で契約するものであり、すぐに利益が出るという楽観的な見通しは持つべきではないとしています。中小企業基盤整備機構のJ-Net21も、本部が成功を保証するわけではないこと、本部のシミュレーションに頼らず自分で事業計画を立てることを勧めています。自分の条件を先に決めるのは、そのための準備です。

開業にかかる費用の全体像は開業費用の内訳と試算例で確認できます。

比較の材料は「同じ項目を書面で」そろえる

本部ごとに説明の順番や資料の形式が違うと、比べようがありません。そこで、どの本部にも同じ項目の情報を書面で出してもらうよう依頼します。項目の目安になるのが次の二つです。

  • 中小小売商業振興法の開示項目:同法第11条は、一定の要件にあたるフランチャイズ(特定連鎖化事業)の本部に、契約を結ぶ前に事業の概要や契約の主な内容を書面で交付し、説明することを義務づけています。中小企業庁の資料では、この事前開示項目が23項目の表にまとめられています。
  • 公正取引委員会のフランチャイズ・ガイドライン:「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」は、加盟者募集の際に開示が望ましい事項として、商品の供給条件、経営指導の内容、加盟時の金銭、ロイヤルティ、決済の仕組み、損失補償や経営不振時の支援、契約期間と中途解約、近隣への出店(ドミナント出店)などを挙げています。

中小小売商業振興法の対象は主に小売業(飲食店を含む)を営む加盟者で、中小企業庁は特定連鎖化事業にあたる要件として、継続的な商品の販売(またはあっせん)や加盟金・保証金などの徴収など6つを示しています。サービスが中心のセルフホワイトニングのフランチャイズが同法の対象になるかは、事業の内容によります。一方、中小企業庁は要件にあたらない場合も事前開示することが望ましいとしており、公正取引委員会のガイドラインは業種を問わず適用されます。対象かどうかにかかわらず、同じ項目を書面でお願いし、その対応も比較の材料にしてください。

書面の各項目の読み方は、フランチャイズ加盟前に確認することの記事でも整理しています。

比較表の作り方

表計算ソフトで、縦に確認項目、横に本部名を並べた表を作ります。説明を聞いたら、その場の印象ではなく、書面の記載とその出どころ(何ページに書いてあったか)を書き込みます。下は項目の例です。

区分比較する項目書き込む内容の例
本部の概要事業の開始時期、直近3事業年度の財務諸表、子会社開示の有無と、売上・利益の推移
加盟店の推移直近3事業年度の店舗数、新規出店数、契約解除数、更新・不更新の数年度ごとの数字をそのまま転記
既存店の収支立地が似た加盟店の収支と、似ていると判断した根拠売上・原価・ロイヤルティ・人件費の内訳があるか
訴訟直近5事業年度の本部と加盟者の間の訴訟件数本部から/加盟者からの件数
加盟時の費用加盟金・保証金・研修費・機器代などの額と性質、返還の条件開店できなかった場合に返ってくるか
継続的な支払いロイヤルティ・システム料などの額と算定方法、徴収時期売上連動か定額か、何に対して何%か
機器・消耗品照射器の所有形態(購入・リース・レンタル)、消耗品の仕入れ先の指定リース契約の相手と期間、解約時の残債の扱い
経営指導開業前研修の内容、開業後の指導の方法と回数、費用研修費が加盟金に含まれるか
営業の制約営業時間・休業日、店舗の内外装の義務自分で決められる範囲
テリトリー近隣に同じブランドの店舗を出す規定の有無と内容出店しない取り決めや、出店時の支援の有無
契約期間と終了契約期間、更新の条件、中途解約の条件、違約金の額や算定方法途中でやめる場合にかかる金額の目安
終了後の制限競業禁止の地域・期間、守秘義務同じ場所で別の屋号で営業できるか
説明の姿勢書面の提出、質問への回答、検討期間の確保回答の期日、回答がなかった項目

空欄が残った項目は「本部に確認中」と書き、回答の期日を決めて追いかけます。中小企業庁の資料は、本部が契約を急がせる場合でも、最低限すべての開示項目について納得できるまで説明を受けるよう求めています。空欄のまま契約日が近づいていないかを、表で見える状態にしておくことが大切です。

費用は「期間の総額」と「売上の水準ごと」にそろえる

本部によって、加盟金が高くロイヤルティが低い、加盟金がない代わりに機器のリース料や定額の支払いがある、など費用の組み立てが違います。名目ごとに比べると判断を誤りやすいため、同じ期間(例:契約期間や5年)で本部と機器に払う総額を計算し、さらに売上が変わったときの総額も見ておきます。

試算:3つの費用の組み立てを5年間で比べる(仮定)

以下は説明のための仮定の数字で、実在の本部の条件ではありません。家賃・人件費・広告費・消耗品など、どの本部でも別にかかる費用は入れていません。

項目(仮定)組み立てA組み立てB組み立てC
加盟時の費用(加盟金・研修費)230万円50万円0円
照射器など機器購入 150万円リース 月4万円購入 200万円
ロイヤルティ売上の5%定額 月5万円売上の8%
システム料など月2万円月1万円なし

月の売上を150万円と100万円の2通りで置き、60か月(5年)の総額を計算すると次のようになります。

5年間の総額(仮定)組み立てA組み立てB組み立てC
開業時に払う額230万+150万=380万円50万円200万円
月の支払い(売上150万円)7.5万+2万=9.5万円5万+1万+4万=10万円12万円
5年総額(売上150万円)380万+9.5万×60=950万円50万+10万×60=650万円200万+12万×60=920万円
月の支払い(売上100万円)5万+2万=7万円10万円8万円
5年総額(売上100万円)380万+7万×60=800万円50万+10万×60=650万円200万+8万×60=680万円

この仮定では、開業時の負担が最も小さいのはB、5年間の総額が最も小さいのもBです。一方、AとCは売上連動の支払いなので、売上が下がると総額も下がり、売上100万円ではCとBの差は30万円まで縮まります。逆に、Bは売上が下がっても毎月10万円が固定でかかるため、資金繰りの面では負担が重く感じられる場面があります。どれが有利かは、売上の見込みと、売上が低い月にどれだけ耐えられるかで変わります。

実際に比べるときは、次の点もそろえてください。

  • 中途解約した場合:違約金、リースの残債、機器の返却費用を足した「途中でやめたときの総額」
  • 返ってくるお金:保証金など返還されるものは、支払いとは別の欄に書く(返還の条件も)
  • 消耗品の仕入れ:本部指定の消耗品がある場合、1回あたりの原価として損益に入れる
  • ロイヤルティの算定の基準:「売上の○%」の売上に何を含むか(物販・回数券の前受金など)

本部への支払いを含めて、毎月いくら売れば赤字にならないかは損益分岐点と資金繰りの記事の手順で計算できます。

説明会・個別面談で聞く質問リスト

説明会では本部の強みが中心に話されるため、聞く側が質問を用意しておく必要があります。回答は口頭で終わらせず、書面やメールで受け取れるか確認してください。

数字の根拠について

  • 示された売上や収益のモデルは、どの店舗の、いつの実績をもとにしていますか。開業から何か月目の数字ですか
  • モデルには家賃・人件費・広告費・機器代・ロイヤルティ・借入の返済が含まれていますか
  • モデルより売上が低かった店舗の実績も見せてもらえますか

公正取引委員会のガイドラインは、本部が予想売上や予想収益を示す場合は、類似した環境の既存店の実績など根拠のある事実と合理的な算定方法に基づき、その根拠を示す必要があるとしています。既存店の平均などから作ったモデル収益は、予想売上ではないことが分かるよう示すべきともしています。

お金と契約について

  • 加盟金・保証金・研修費は、物件が見つからず開店できなかった場合に返ってきますか
  • ロイヤルティの算定の基準になる売上には、何が含まれますか
  • 機器のリースは誰との契約ですか。加盟契約を解約した場合、リース料の支払いはどうなりますか
  • 契約期間の途中でやめる場合、違約金はいくら(どう計算)ですか
  • 契約終了後に、同じ場所や近隣で別の屋号で営業することはできますか

運営と支援について

  • 開業前の研修は何日で、どんな内容ですか。開業後の指導は月に何回、どの方法で行われますか
  • 売上が計画を下回ったとき、本部はどんな支援をしますか(費用はかかりますか)
  • 近隣に同じブランドの店舗が出る可能性はありますか。出さない取り決めはありますか
  • 営業時間や休業日、料金はどこまで加盟店が決められますか

J-Net21も、説明会では加盟者数や加盟者の経営状況、想定より事業が振るわなかった場合の打開策や支援体制を確認するよう勧めています。答えがあいまいだった質問は比較表に印を付け、後日書面での回答を依頼します。

既存の加盟店に聞くこと

中小企業庁の資料もJ-Net21も、実際に加盟している人の話を聞くことを勧めています。本部に紹介してもらう方法と、自分で店舗を探して訪ねる方法の両方を検討してください。忙しい時間帯を避け、事前に連絡してから訪ねるのが礼儀です。

  • 開業から何か月で、売上や来店数が計画に近づきましたか
  • 説明会で聞いた費用以外に、開業後に想定外にかかった費用はありましたか
  • 本部の指導や支援は、説明どおりの頻度・内容でしたか
  • 本部に相談したとき、どのくらいの期間で回答がありますか
  • もう一度選ぶとしたら、契約前に何を確認しておきたいですか

一店舗の話だけで判断せず、開業時期や立地の違う複数の店舗に聞けると、話の偏りに気づきやすくなります。

セルフホワイトニングならではの比較ポイント

一般的なフランチャイズの比較に加えて、セルフホワイトニングでは法令と消費者対応に関わる点を本部ごとに確認しておきます。

  • 使うジェルの成分と製品の区分:過酸化水素などを含む歯のホワイトニング材は医療機器として扱われ、歯科医師の判断のもとで使うものとされています(厚生労働省の2025年4月の回答)。サロンで使うジェルの成分と製品の区分を書面で確認します。
  • 照射器の扱い:使う機器が医療機器にあたるか、取扱説明書や保証・修理の窓口がそろっているか。
  • 運営マニュアル:スタッフがお客様の口の中に触れない、ジェルを塗らない、診断をしないといった運用が、マニュアルと研修で明確になっているか。
  • 広告の表現:本部が用意する広告や店頭の掲示に、歯が白くなる効果を断定する表現がないか。
  • 回数券・月額コースの契約書:国民生活センターは2024年7月、セルフホワイトニングを含む「セルフエステ」で、無料体験後の継続契約や解約時の違約金をめぐる相談が寄せられているとして注意を呼びかけています。本部が用意する契約書のひな形や販売方法が、契約期間や解約条件を事前に分かりやすく示すものになっているかを比べます。

決める前の進め方

  1. 比較表の空欄をなくす:回答がない項目は、それ自体を比較の材料として記録する
  2. 自分の数字で計算し直す:本部のモデルではなく、自分の立地・家賃・人員で、売上を低めに置いた計算をする。中小企業庁の資料も、収益予測は売上を最小に、必要経費は最大に見積もることが大切だとしています
  3. 検討の期間を取る:公正取引委員会のガイドラインは、契約前に検討に必要な期間を置くことが望ましいとしています。中小企業庁の資料によれば、日本フランチャイズチェーン協会は会員本部の自主基準として7日以上の熟考期間を設けることとしています
  4. 第三者に見てもらう:契約書と事業計画を、弁護士・中小企業診断士・商工会議所などに見てもらう
  5. 署名する書類の性質を確かめる:中小企業庁の資料は、説明会で契約書以外の書類に住所や氏名を書いただけで、後から違約金を求められた事例を紹介しています。署名・押印の前に、その書類が何なのかを本部に確認してください

困ったときは、日本フランチャイズチェーン協会のフランチャイズ相談センター、中小企業庁商業課、公正取引委員会(ガイドラインに関する相談)などが相談先として案内されています。

よくある質問

Q. 比較する本部はいくつくらいがよいですか?

A. 決まった数はありませんが、同じ項目を書面でそろえて比べられる数に絞るのが現実的です。表の空欄が埋まらないまま候補を増やすより、2〜3本部を同じ深さで比べるほうが判断しやすくなります。

Q. 加盟金が無料の本部は費用が安いと考えてよいですか?

A. 加盟金がなくても、機器のリース料や定額の支払い、消耗品の仕入れで継続的な支払いが生じることがあります。契約期間などの同じ期間で総額を計算し、売上が低い場合の総額も比べてください。

Q. 本部が書面を出してくれない場合はどうすればよいですか?

A. 中小小売商業振興法の義務の対象外であっても、中小企業庁は事前開示が望ましいとしています。依頼しても書面が出てこない項目は比較表に記録し、判断材料の一つとして扱ってください。

Q. 説明会で示された収益モデルはどう扱えばよいですか?

A. どの店舗の、いつの実績から作ったのか、費用に何が含まれるのかを確認したうえで、参考値として扱います。判断は、自分の立地と費用で売上を低めに置いて計算した結果をもとに行ってください。

Q. 既存の加盟店にはどうやって話を聞けばよいですか?

A. 本部に紹介を依頼する方法と、自分で店舗を探して連絡する方法があります。開業時期や立地の違う複数の店舗に、営業の妨げにならない時間帯を選んで聞くと偏りを避けやすくなります。

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参考資料

執筆:ホワイトニング総研編集部(株式会社ピベルダ) 情報の確認日:2026年10月29日