「ホワイトニングに健康保険は使える?」「確定申告で医療費控除に入れられる?」という疑問に、公的機関と歯科医師会の資料で確認できる範囲で答えます。結論から言うと、歯科医院で行う歯の漂白(ホワイトニング)は健康保険の対象外の私費診療で、医療費控除についても、国税庁は容姿を美化する目的の費用を対象外としているため、見た目を整える目的のホワイトニングは対象にならないと考えるのが基本です。セルフホワイトニングは歯科医師の診療ではないため、医療費控除の対象となる「診療や治療の対価」には当たりません。迷う費用は、領収書を残したうえで税務署に確認するのが確実です。
ホワイトニングに健康保険は使える?
日本歯科医師会の解説「テーマパーク8020」では、漂白処置はすべて健康保険の対象ではなく私費診療になると説明されています。費用は歯科医院ごとに異なるため、処置を受ける前に料金体系について十分に説明を受けるよう勧められています。日本歯科医師会の「お口のなんでも相談」でも、ホワイトニングは保険外の診療で、費用は使う薬剤や方法によって変わると説明されています。
日本歯科審美学会の「歯のホワイトニング処置の患者への説明と同意に関する指針」では、歯科医師が患者に説明する項目の一つとして、保険診療で行えるかどうかと、費用の総額やその費用に含まれる内容(処置の回数、期間、渡される材料の数量など)を挙げています。つまり、歯科医院でホワイトニングを受けるときは、保険が使えないことと費用の内訳が、事前の説明に含まれるのが本来の形です。
なお、ここでいうホワイトニングは、歯科医師の判断のもとで過酸化物を使って歯を漂白する医療ホワイトニングのことです。店舗で自分で行うセルフホワイトニングは、過酸化物を使わず、歯の表面の着色汚れをケアするサービスで、医療ではないため健康保険とは関係がありません。
保険診療と自費(私費)診療の違い
同じ歯科医院でも、むし歯や歯周病の治療のように保険が使える診療と、ホワイトニングのように保険が使えない診療があります。費用の考え方を整理すると次のとおりです。
| 項目 | 保険診療 | 自費(私費)診療 | セルフホワイトニング |
|---|---|---|---|
| 主な例 | むし歯・歯周病の治療など | 歯科医院での医療ホワイトニングなど | 店舗での表面の着色汚れのケア |
| 費用の負担 | 公的医療保険が使われ、窓口では一部を負担 | 全額自己負担 | 全額自己負担 |
| 料金の決まり方 | 国の定めに沿って決まる | 医院ごとに異なる | 店舗・プランごとに異なる |
| 歯科医師の診察 | あり | あり | なし |
| 事前に確認したいこと | 治療の内容と回数 | 総額、含まれる回数・期間・材料、追加費用 | 料金、契約条件、利用できない人の条件 |
歯の状態によっては、ホワイトニングの前にむし歯や歯周病の治療が必要になることがあります。厚生労働省の歯科口腔保健サイト「iiha」のコラムでも、ホワイトニングの前にむし歯や歯周病の治療を済ませておくことが勧められています。この場合、治療の部分とホワイトニングの部分で費用の扱いが分かれるため、見積もりや領収書の内訳を確認しておくと後で整理しやすくなります。
医療費控除の仕組みをおさらい
国税庁のタックスアンサー(No.1120)によると、医療費控除は、自分や生計を一にする配偶者・親族のために、その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費が一定額を超えるときに受けられる所得控除です。控除額は次の式で計算し、上限は200万円です。
- 控除額 =(実際に支払った医療費の合計額 - 保険金などで補てんされる金額)- 10万円
- その年の総所得金額等が200万円未満の人は、「10万円」の代わりに「総所得金額等の5%」を差し引く
イメージをつかむための仮定の例を示します(金額はすべて仮定です)。
| 仮定 | 例A | 例B |
|---|---|---|
| 1年間に支払った対象の医療費(補てん後) | 15万円 | 15万円 |
| 総所得金額等 | 200万円以上 | 150万円 |
| 差し引く額 | 10万円 | 150万円×5%=7.5万円 |
| 医療費控除額 | 15万円-10万円=5万円 | 15万円-7.5万円=7.5万円 |
医療費控除は所得から差し引く控除なので、控除額がそのまま戻ってくるわけではありません。実際に軽くなる税額は、所得や税率によって変わります。また、ここで合計できるのは「医療費控除の対象になる医療費」だけです。次の節で、ホワイトニングがそれに当たるかを見ていきます。
ホワイトニングは医療費控除の対象になる?
国税庁のタックスアンサー(No.1122)では、医療費控除の対象として「医師または歯科医師による診療または治療の対価」が挙げられ、その病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額が対象とされています。一方で、国税庁の「医療費控除を受けられる方へ」では、容姿を美化し、容ぼうを変えるなどの目的で行った整形手術の費用や、疾病の予防・健康増進のためのものの購入費用は対象にならないとされています。
歯の治療については、タックスアンサー(No.1128)で、金やポーセレンを使った治療は一般的な治療材料として対象になる一方、歯列矯正のうち容ぼうを美化するための費用は対象にならないと説明されています。
今回確認した国税庁の資料には、ホワイトニングを名指しした記述は見当たりませんでした。ただ、上の考え方に照らすと、見た目を白くする目的のホワイトニングは「容姿を美化する目的の費用」として対象にならないと考えるのが基本です。変色の原因や治療との関係など個別の事情で判断が分かれそうな場合は、自己判断で申告に含めず、領収書と歯科医院の説明内容を持って税務署に相談してください。
| 支払った費用 | 国税庁の資料に照らした考え方 |
|---|---|
| むし歯・歯周病などの治療費 | 歯科医師による診療・治療の対価として対象(No.1122) |
| 金やセラミックなどを使った歯の治療 | 一般的な治療材料を使った治療は対象(No.1128) |
| 見た目を目的とした歯科医院でのホワイトニング | 名指しの記述はないが、容姿を美化する目的の費用は対象外とされているため、対象にならないと考えるのが基本 |
| セルフホワイトニングの利用料 | 歯科医師による診療・治療の対価ではないため、対象には当たらない |
| ホワイトニング目的の歯みがき剤などの購入費 | 治療に必要な医薬品の購入とはいえないため、対象にならないと考えられる |
| 通院の交通費 | 治療のための通院は対象(No.1128)。対象外の施術のための通院は、本体と同じく対象外と考えられる |
| デンタルローンなどの立替払い | 治療費が対象の場合は契約した年の対象。金利・手数料分は対象外(No.1128) |
領収書・明細書の扱い
医療費控除を受けるときは、確定申告書に「医療費控除の明細書」を添付します。国税庁の案内では、領収書は申告書に添付しなくてよい代わりに、確定申告期限などから5年間は自宅などで保管するよう求められています。健康保険の「医療費通知」があれば、明細書の記載を簡略化できます。
歯科の費用で気をつけたい点は次のとおりです。
- 内訳を確認する:同じ時期にむし歯の治療とホワイトニングを受けた場合は、治療の分とホワイトニングの分が領収書でどう分かれているかを確認します。分かれていないときは、歯科医院に内訳を書いてもらえるか相談しておくと整理しやすくなります。
- 年をまたぐ支払い:治療が年をまたぐ場合は、それぞれの年に実際に支払った額をその年分として計上します(No.1128)。
- 通院の記録:対象となる治療の通院費を計上するときは、診察券などで通院日を確認できるようにし、金額も記録しておきます(No.1128)。
- セルフの領収書:セルフホワイトニングの領収書は医療費控除には使えませんが、回数券や前払いの契約をした場合は、解約や返金の確認に必要になることがあるため保管しておくと安心です。
費用で後悔しないための確認点
保険も医療費控除も使えないことを前提に、全額自己負担の費用として納得できるかを契約前に確かめておきましょう。日本歯科審美学会の指針で、歯科医師が説明する項目として挙げられている内容をもとに、確認点をまとめます。
- 費用の総額と、その費用に含まれる内容(処置の回数、期間、渡される材料の数量)
- 知覚過敏が出たときの処置の手続きと費用
- ホームホワイトニングのマウスピース(トレー)を作り直すときの費用
- ホワイトニングの前に必要な治療があるか、その治療は保険診療か
- 効果には個人差があり、白さは永久ではないこと、再度行う場合の費用
セルフホワイトニングを利用する場合は、1回あたりの料金だけでなく、回数券や通い放題の有効期限、中途解約の条件も確認しておくと安心です。料金表の読み方は「セルフホワイトニングの料金の見方」、セルフと歯科の方法の違いは「セルフホワイトニングと歯科ホワイトニングの違い」で詳しく整理しています。
当サイトの運営会社は、2013年創業のセルフホワイトニング専門店「WhiteningBAR(ホワイトニングバー)」と、歯科医師のオンライン診療後に自宅で行う医療ホワイトニング「どこでもホワイトニング」を運営しています。どちらも保険の対象外の自費のサービスです。料金や条件の最新情報は、それぞれの公式サイト(WhiteningBAR・どこでもホワイトニング)で確認できます。
※WhiteningBAR・どこでもホワイトニングは当サイトの運営会社(株式会社ピベルダ)の自社サービスです。
ホワイトニングを試してみたい方へ
- 歯の表面の着色汚れをケアしたい:ホワイトニングバーの店舗を探す(公式サイト経由の初回2,200円〜・税込)
- 初めてで流れを知りたい:ホワイトニングバー「初めての方へ」
- 通院せずに、歯科医師のオンライン診療のもとで漂白したい:どこでもホワイトニング
※ホワイトニングバーとどこでもホワイトニングは、当サイトの運営会社(株式会社ピベルダ)のサービスです。
よくある質問
歯科医院のホワイトニングに保険が使えることはありますか?
日本歯科医師会の解説では、漂白処置はすべて健康保険の対象ではなく私費診療とされています。ホワイトニングの前に必要なむし歯や歯周病の治療は保険診療になることがあるため、どの部分が保険でどの部分が自費かを事前に確認してください。
ホワイトニングの費用を医療費控除に入れてもいいですか?
国税庁は容姿を美化する目的の費用を医療費控除の対象外としているため、見た目を白くする目的のホワイトニングは対象にならないと考えるのが基本です。国税庁の資料にホワイトニングを名指しした記述は見当たらないため、個別の事情で迷う場合は税務署に確認してください。
セルフホワイトニングの料金は医療費控除の対象ですか?
医療費控除の対象は歯科医師などによる診療や治療の対価です。セルフホワイトニングは利用者が自分で行うサービスで、歯科医師の診療ではないため、対象には当たりません。
ホワイトニングをデンタルローンで払った場合はどうなりますか?
国税庁は、対象となる治療費を信販会社が立て替えた場合は契約した年の医療費控除の対象とし、金利や手数料の分は対象外としています。ホワイトニングの費用そのものが対象外であれば、ローンで支払っても扱いは変わらないと考えられます。
領収書はいつまで保管すればいいですか?
医療費控除を申告した場合、国税庁は領収書を確定申告期限などから5年間保管するよう案内しています。申告に使わないセルフホワイトニングなどの領収書も、契約内容の確認のために一定期間保管しておくと安心です。
ホワイトニングを受ける前に読みたい記事
参考資料
- 日本歯科医師会 テーマパーク8020「ホワイトニング:漂白処置の効用・漂白にかかる費用」
- 日本歯科医師会「お口のなんでも相談:ホワイトニング」
- 日本歯科審美学会「歯のホワイトニング処置の患者への説明と同意に関する指針」
- 厚生労働省 iiha(からだの健康、お口から)コラム
- 国税庁 タックスアンサー No.1120「医療費を支払ったとき(医療費控除)」
- 国税庁 タックスアンサー No.1122「医療費控除の対象となる医療費」
- 国税庁 タックスアンサー No.1128「医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」
- 国税庁「医療費控除を受けられる方へ」
執筆:ホワイトニング総研編集部(株式会社ピベルダ) 情報の確認日:2026年11月4日

