矯正中・矯正後のホワイトニング|装置があるとき・外した後・マウスピース矯正の注意点

「矯正中・矯正後のホワイトニング」のタイトル画像 トラブル・規制関連

「矯正中だけど歯の色も気になる」「装置が外れたらすぐホワイトニングしてよい?」という疑問に、公的機関・学会の資料と研究で確認できる範囲で答えます。結論から言うと、ワイヤー矯正の装置がついている間の医療ホワイトニングは、装置の下に薬剤が届きにくく色ムラが出るおそれがあり、治療中に行うことを支持する研究は十分ではありません。装置を外した後に行う場合も、時期や方法は矯正の担当医とホワイトニングを行う歯科医師が口の中を診て判断するもので、まずは「今どの段階か」を伝えて相談するのが近道です。

はじめに:セルフと医療ホワイトニングの違い

「ホワイトニング」と呼ばれるものには、性質の違う2つがあります。矯正中・矯正後の判断も、どちらを指しているかで変わるため、最初に整理しておきます。

項目セルフホワイトニング医療ホワイトニング(歯科)
目的歯の表面の着色汚れのケア歯そのものの色を漂白する
使うもの過酸化物を含まないジェルと光など(店舗による)過酸化水素・過酸化尿素などの薬剤を、歯科医師の判断のもとで使う
口の中の確認スタッフは歯科医師ではないため、診査はない歯科医師が歯・歯ぐき・装置の状態を確認して適否を判断する
矯正中の考え方装置をつけたまま利用できるかは店舗ごとに異なるため事前に確認矯正の担当医と相談のうえで時期と方法を決める

過酸化物を含むホワイトニング材は、歯科医師が診察して使用が適当かを判断したうえで扱うものとされています(厚生労働省の回答資料)。セルフホワイトニングは表面の着色汚れのケアであり、歯を漂白するものではありません。違いを詳しく知りたい人は「セルフホワイトニングと歯科ホワイトニングの違い」も参考にしてください。

ワイヤー矯正の装置がついている間

歯の表面にブラケットを接着するワイヤー矯正(マルチブラケット装置)の場合、装置の下の部分には薬剤が届きにくくなります。2022年に公表された、従来型の矯正治療を受けている人のホワイトニングに関するシステマティックレビュー(Hernández-Vianaら)は、治療中にホワイトニングを行うことを支持するだけの十分なエビデンスはないと結論づけ、ブラケットの下では漂白剤の浸透が不十分になり色むらが生じる可能性を指摘しています。

また、矯正中は口の中を清潔に保つこと自体が難しくなります。日本矯正歯科学会は、装置があると歯みがきが難しく食べかすがたまりやすいこと、特に奥歯の装置の周りはむし歯や歯肉の腫れが起こりやすいことを挙げ、食後の歯みがきやフッ素入り歯みがき剤、矯正用歯ブラシ・歯間ブラシの使用を勧めています。日本歯科医師会の解説でも、装置を長くつけるため、むし歯・歯ぐきの炎症・口臭が起きる可能性があると説明されています。

日本歯科審美学会の指針では、ホワイトニングを行う部位は健全である必要があり、むし歯・歯周病・歯石・歯肉炎がある場合はホワイトニングの前に治療を行うとされています。矯正中にこうした状態が起きていないかを確かめることも含めて、まずは矯正の担当医に相談するのが順番です。

  • 確認したいこと:今の装置のまま医療ホワイトニングを行う意味があるか、色ムラの可能性、装置を外す予定の時期
  • 例:「装置が外れるのが半年後なら、それまでは歯みがきと定期的なクリーニングで着色を抑え、外した後に改めて相談する」という進め方を提案されることもあります(判断は担当医によります)

装置を外した後:時期の考え方

装置を外した後にホワイトニングを考える人は多いですが、「何日たてば始めてよい」という公的な基準は、確認できた範囲では示されていません。参考になる研究として、前述のレビューでは、対象研究でブラケットを外してからホワイトニングを始めるまでの期間は7〜90日(平均40.2日)で、質の低いエビデンスながら少なくとも30日待つのが適切と示唆されています。あくまで研究上の目安であり、実際の時期は歯の状態を診た歯科医師が判断します。

装置を外した後も、矯正は終わりではありません。日本矯正歯科学会は、歯を動かした後は保定装置を1年以上ほぼ毎日使うことが望まれ、使わないと後戻りする可能性があると説明しています。ホワイトニングを行う場合は、次の点も一緒に伝えておくと話が進みやすくなります。

  • 保定装置が取り外し式か、歯の裏側に固定するタイプか
  • 保定装置を使う時間帯(夜だけ、ほぼ一日中など)
  • 装置を外した後に、むし歯や歯ぐきの腫れなどを指摘されていないか
  • 歯の表面に白い斑点や、接着剤の跡が気になる部分がないか

なお、装置を外した直後は、装置の周りにたまっていた着色が目立つこともあります。表面の着色であれば歯科医院でのクリーニングで落ちることも多いため、漂白が必要かどうかも含めて相談するとよいでしょう。

歯に白い斑点(ホワイトスポット)があるとき

矯正装置の周りに汚れがたまると、歯の表面のミネラルが溶け出す「脱灰」が起き、白い斑点として残ることがあります。この斑点がある状態でホワイトニングを行うと、見え方が変わる可能性があります。日本歯科医師会の解説では、歯の一部に石灰化が不十分な部分や脱灰がある場合、漂白後にその部分だけが白く目立って残り、すぐには消えないため追加の処置が必要になることがあると説明されています。

矯正後の白い斑点に対して漂白が有効かどうかを調べたシステマティックレビュー(Gizaniら、2020年)は、対象の多くが試験管内の研究で、臨床研究は1件のみだったことから、有効とも無効とも言えず、エビデンスの確実性は非常に低いと結論づけています。同じ論文の考察では、装置を外した後、少なくとも3〜6か月は唾液による自然な再石灰化とフッ化物配合歯みがき剤の使用を続けてから、追加の処置を検討することが勧められています。

白い斑点があるかどうかは自分では判断しにくいため、装置を外した時点で矯正の担当医に確認してもらい、その結果をホワイトニングの相談時に伝えるのが確実です。

マウスピース型矯正の場合

取り外し式の透明なマウスピース型の装置で矯正している場合は、日本矯正歯科学会の見解でも、目立ちにくいことや、着脱・食事・歯みがきがしやすいことが利点として挙げられています。一方で、日本矯正歯科学会は、歯科医師の診察・診断を経ないマウスピース矯正や、医療機器として認められていない材料で作られた装置による矯正には問題があるとの見解を出しており、医療機器として認められたもので作られた装置かを確認するよう勧めています。

マウスピース型の装置を、ホームホワイトニングのトレー代わりに使う方法を調べた研究もあります。2022年のシステマティックレビュー(Khashashnehら)では、条件を満たした臨床研究3件のいずれでも歯の色調の改善が見られたと報告されていますが、研究数が少なく、一般的な基準とまでは言えません。

  • やってはいけないこと:自己判断で、市販品や海外製品のジェルを矯正用のマウスピースに入れて使う。装置の材質や装着時間、歯ぐきへの影響を歯科医師が確認していない状態になります。
  • 相談の例:「今のマウスピースで、ホワイトニングを並行できるか。できない場合は、いつから始められるか」を矯正の担当医に聞く。

日本歯科審美学会の指針では、歯並びが整っていない状態について、オフィスホワイトニングでは対応可能だが、ホームホワイトニングでは対応しにくいとされています。矯正中か矯正後かで、選べる方法が変わることもあります。

セルフホワイトニングを使う場合の確認点

セルフホワイトニングは、過酸化物を使わず、歯の表面の着色汚れをケアするものです。歯を漂白する医療ホワイトニングとは別のものなので、「矯正中の着色を目立たなくしたい」「装置を外した後に表面の着色をケアしたい」といった目的で検討する人もいます。利用する場合は、次の点を確認してください。

  • 装置をつけたまま利用できるか:店舗ごとに対応が異なります。予約の前に、装置の種類(ワイヤー・マウスピース・保定装置)を伝えて確認します。
  • 担当医への確認:矯正中は、矯正の担当医に利用してよいかを聞いておくと安心です。
  • 口の中の状態:セルフのスタッフは歯科医師ではないため、むし歯や歯ぐきの炎症は確認されません。しみる・歯ぐきから血が出るなどがある場合は、先に歯科を受診します。
  • 効果の範囲:歯の内部の色や、白い斑点、詰め物の色は変わりません。

当サイトの運営会社が運営するセルフホワイトニング専門店「WhiteningBAR(ホワイトニングバー)」では、裏側(舌側)矯正の装置をつけている人や、マウスピース矯正中の人も利用できます。歯の表側にワイヤーやブラケットがついている場合は、予約前に店舗へ相談してください。

※WhiteningBARは当サイトの運営会社(株式会社ピベルダ)の自社サービスです。

飲食による着色の付き方や、施術後の過ごし方などは、ホワイトニングバー公式サイトのJournalでも解説しています。

装置を外した後、自宅で医療ホワイトニングを考える場合

矯正が終わり、通院の負担を抑えながら医療ホワイトニングを検討したい人には、歯科医師のオンライン診療を受けたうえで自宅で行う方法もあります。当サイトの運営会社のサービスでは「どこでもホワイトニング」がこの形で、ケイデンタルクリニックの歯科医師によるオンライン診療後、利用できると判断された人に過酸化水素6%のジェルが処方されます(料金や条件は公式ページで確認してください)。

※どこでもホワイトニングは当サイトの運営会社(株式会社ピベルダ)の自社サービスです。

オンライン診療では、口の中を直接診る対面の診査とは得られる情報が違います。矯正の時期、保定装置の種類、白い斑点の有無などは自分から伝え、むし歯や歯ぐきの状態によっては対面での受診を案内されることがあります。制度や申し込み前の確認点は「オンライン診療で受ける在宅ホワイトニング」で解説しています。

歯科医師に相談するときのチェックリスト

伝えること・聞くこと例
今の段階「ワイヤー矯正中で、あと4か月ほどで外す予定」「先月装置を外し、今は夜だけ保定装置を使っている」
装置の種類表側・裏側のブラケット、マウスピース型、固定式の保定装置など
気になる色「全体の黄ばみ」「装置の跡の着色」「白い斑点」など、どこが気になるか
症状しみる、歯ぐきから血が出る、腫れているなど
聞いておくこと始められる時期、向いている方法、色ムラや知覚過敏の可能性、費用と通院回数

医療ホワイトニングは健康保険の対象外(私費診療)で、費用は歯科医院ごとに異なります。矯正の担当医とホワイトニングを行う医院が別の場合は、矯正の経過を伝えるよう心がけてください。

ホワイトニングを試してみたい方へ

※ホワイトニングバーとどこでもホワイトニングは、当サイトの運営会社(株式会社ピベルダ)のサービスです。

よくある質問

矯正中でもホワイトニングはできますか?

ワイヤー矯正の装置がついている間は、装置の下に薬剤が届きにくく色ムラが出るおそれがあり、治療中のホワイトニングを支持する研究は十分ではありません。可否や時期は、矯正の担当医とホワイトニングを行う歯科医師が判断します。

装置を外してから何日後にホワイトニングできますか?

公的な基準は確認できませんでした。研究のレビューでは、装置を外して少なくとも30日待つのが適切と示唆されていますが、エビデンスの質は低いとされています。実際の時期は歯科医師に確認してください。

矯正後の白い斑点はホワイトニングで目立たなくなりますか?

白い斑点に対する漂白の効果は、研究の数と質が不十分で、有効とも無効とも言えない状況です。漂白後に斑点がかえって白く目立つこともあるため、事前に歯科医師に診てもらってください。

マウスピース矯正の装置にホワイトニングジェルを入れてもよいですか?

自己判断では行わないでください。装置をトレー代わりに使う方法を調べた研究はありますが数は少なく、使ってよいかは矯正の担当医が装置の材質や歯の状態を確認して判断するものです。

セルフホワイトニングは矯正中でも使えますか?

セルフホワイトニングは過酸化物を使わない表面の着色汚れのケアですが、装置をつけたまま利用できるかは店舗ごとに異なります。予約前に店舗に確認し、矯正の担当医にも相談しておくと安心です。

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参考資料

執筆:ホワイトニング総研編集部(株式会社ピベルダ) 情報の確認日:2026年11月4日