個人輸入・海外通販のホワイトニング剤は大丈夫?買う前に知りたい制度と注意点

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結論:海外通販や個人輸入で手に入るホワイトニング剤は、日本の法律にもとづく品質・有効性・安全性の確認を受けていません。とくに過酸化水素・過酸化尿素などの過酸化物を含むものは、日本では歯科医師の診察と判断のもとで使う医療機器として扱われており、自分の判断だけで使うのは日本で想定されている使い方から外れます。歯を白くしたいなら、歯科医師の診察を受けて国内で扱われている方法を選ぶのが基本です。

この記事では、「海外のジェルのほうが安くて強そう」「SNSで見たキットを通販で買ってよいのか」と迷っている人に向けて、個人輸入の制度、過酸化物を使うホワイトニング材の日本での位置づけ、個人輸入品のリスク、買う前に表示で確かめること、代わりの選択肢を、厚生労働省・国民生活センターなどの公開資料をもとに整理します。個々の製品が安全かどうかや、あなたが使ってよいかどうかを判断するものではありません。

海外通販で買うと「個人輸入」になる

海外のサイトから自分で使うために商品を買って送ってもらうことや、旅行先で買って持ち帰ることは「個人輸入」にあたります。厚生労働省は、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器などを海外から購入しようとする人に向けて、制度と注意点をまとめています(厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」)。

日本語で書かれた通販サイトでも、商品が海外から直接送られてくる場合は、海外から買っていることに変わりありません。購入前に、販売者の所在地と発送元がどこかを確かめましょう。

個人輸入でまず押さえたいルールは次のとおりです。

  • 自分で使う分に限られる:個人輸入した製品を、他の人に売ったり譲ったりすることは認められていません。他の人の分をまとめて輸入することも認められていません(厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」)。友人と分け合う、余った分をフリマアプリで売る、といったことはできません。
  • 数量の目安がある:目安を超える場合は、事前に輸入確認の申請が必要です(下の表)。
  • 医家向けの医療機器は個人では輸入できない:医師・歯科医師が使うことを前提とした医療機器は、一般の個人による輸入は認められていません。
区分確認なしで個人輸入できる数量の目安
化粧品標準サイズで1品目24個以内
外用剤(毒薬・劇薬・処方箋薬などを除く医薬品・医薬部外品)標準サイズで1品目24個以内
家庭用の医療機器1セット
医家向けの医療機器一般の個人は輸入できない

出典:厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」、税関「カスタムスアンサー 1806」。表は一部を抜き出したものです。数量の目安は「この範囲なら手続なしで通関できる」という目安であり、その製品が安全である、日本で認められているという意味ではありません。

過酸化物を使うホワイトニング材は、日本では歯科医師の判断のもとで使う

歯そのものの色を白くする医療ホワイトニングでは、過酸化尿素や過酸化水素を使います。歯科医院で行うオフィスホワイトニングも、自宅でトレーを使うホームホワイトニングも、歯科医師の処方が必要とされています(厚生労働省 iiha コラム「歯を白くしたい! ホワイトニングにも歯科健診は大切」)。

2025年4月に公表された厚生労働省の回答では、過酸化水素を含む歯科用のホワイトニング材を「歯科学的配慮が必要な過酸化水素が含有された医療機器」とし、歯科医師が診察して使用が適当かを判断したうえで交付する、という考え方が示されています(厚生労働省「新事業活動に関する確認の求めに対する回答の内容の公表」)。

また、厚生労働省の「化粧品基準」では、過酸化水素は化粧品に配合してはならない成分(別表第1)に挙げられています(厚生労働省「化粧品基準」)。

これらをまとめると、日本での考え方は次のようになります。

  • 過酸化物で歯を漂白するホワイトニングは、歯科医師が口の中を診察し、その人に使ってよいかを判断したうえで行うもの。
  • 過酸化水素を含む製品が「化粧品」として売られていることは、日本の化粧品の基準からは想定されていない。
  • 海外で一般向けに売られている過酸化物入りのジェルを、診察を受けずに自分の判断で使うことは、日本で想定されている使い方から外れる。

海外の製品が日本の制度でどの区分にあたるか(医薬品・医療機器・化粧品など)は、成分や用途によって変わります。個人輸入してよいものか迷う場合は、都道府県の薬務主管課や、税関の管轄に応じて関東信越厚生局・近畿厚生局に確認できます(厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」)。

なお、店舗で自分で行うセルフホワイトニングは、過酸化物を使わず、歯の表面の着色汚れをケアするもので、歯を漂白する医療ホワイトニングとは目的も使う材料も異なります。違いは「セルフホワイトニングと歯科ホワイトニングの違い」で詳しく比べています。

参考:海外でも高濃度品は一般向けに自由に売られているわけではない

「海外では濃いジェルが普通に売られている」と感じることがあるかもしれませんが、国や地域によって規制はさまざまです。一例として、EUでは2011年の指令(Council Directive 2011/84/EU)で、口に使う製品の過酸化水素について次のように定められました(Council Directive 2011/84/EU(legislation.gov.uk 掲載の原文))。

過酸化水素の濃度(含有または発生する量)主な条件
0.1%以下歯みがき剤・洗口液・ホワイトニング製品など口に使う製品に使える
0.1%超〜6%以下歯科医師にのみ販売。各サイクルの最初の使用は歯科医師(または同等の安全性を確保したうえでその直接の監督下)が行い、その後に残りの分を利用者に渡す。18歳未満には使わない。濃度をパーセントで表示する

つまり、海外の通販サイトで一般向けに高濃度の製品が売られていても、それがその国で正規に流通しているものとは限りません。「海外では普通」という説明だけで安全と判断しないようにしましょう。各国の制度の詳細や最新の状況は、それぞれの国の公的機関の情報で確かめる必要があります。

個人輸入品にはどんなリスクがあるか

厚生労働省は、個人輸入について、一般にメリットよりリスクが大きいと考えているとしています。主なリスクは次のとおりです(厚生労働省、あやしいヤクブツ連絡ネット)。

リスク内容
品質・安全性が確認されていない日本の医薬品医療機器等法にもとづく品質・有効性・安全性の確認を受けていない。表示どおりの成分・濃度かどうかも分からない
偽造品・不衛生な製造正規のメーカー品を偽った偽造品や、不衛生な場所・方法で作られた製品のおそれがある
表示が読めないラベルや説明書が外国語で、使い方や注意事項を正しく理解しにくい
副作用に対応しにくい成分や作用の情報が十分でなく、医療機関でも迅速な対応が難しい場合がある
救済制度の対象外個人輸入した医薬品等による健康被害は、公的な医薬品副作用被害救済制度の対象にならない

国民生活センターも、個人輸入した医薬品や化粧品は国内の法的規制を受けておらず、品質・有効性・安全性が国内の基準から外れる場合があり、表示や説明が日本語でないことから思わぬ健康被害につながるおそれがあると注意を呼びかけています。この注意喚起では、通信販売で「化粧品」として買った美白クリームに、国内では医師の処方が必要な医薬品成分が含まれており、使った人に皮膚障害が起きた事例が紹介されています(国民生活センター「個人輸入した医薬品、化粧品等にご注意!」2023年9月6日)。歯のホワイトニング剤の事例ではありませんが、「化粧品として売られていても、中身が日本の区分と同じとは限らない」という点は共通しています。

医療ホワイトニングは、歯科医師の管理のもとで行っても、歯がしみる知覚過敏の症状が30〜50%で起こると報告されています(厚生労働省 iiha コラム)。歯科医師の診察や経過の確認なしに、濃度や成分が確かでない製品を使えば、異常が起きたときに気づいて対処するのがさらに難しくなります。

国内の通販で買うときに表示で確かめること

国内の店舗や通販サイトで売られている商品でも、海外製品をそのまま転売しているケースがないとは言えません。化粧品として国内で販売される製品には、日本語での表示や製造販売業者の記載などが求められています(神奈川県「表示・添付文書等チェックリスト(化粧品)」)。また、化粧品を輸入して国内で販売・授与するには、化粧品製造販売業と製造業の許可が必要とされています(神奈川県「化粧品製造販売業の許可取得を検討されている方へ」)。

購入前に、商品ページや容器・外箱の写真で次の点を確かめましょう。

確認すること見るポイント
日本語の表示があるか容器や外箱に、日本語で名称・成分・使い方・注意事項が書かれているか。外国語のラベルだけの商品は注意
製造販売業者の記載製造販売業者の名称と住所が書かれているか。販売店の名前だけでは足りない
成分表示「過酸化水素」「過酸化尿素」、英語表記の hydrogen peroxide、carbamide peroxide などが書かれていないか
商品の区分化粧品・医薬部外品・医療機器のどれとして売られているか。区分の記載がないものは販売者に確認する
販売者の情報会社名・所在地・連絡先が書かれているか。発送元が海外ではないか
うたい文句「歯医者と同じ濃度」「〇日で白くなる」など、効果を強く約束する表現がないか

表示が日本語でない、製造販売業者が分からない、過酸化物が含まれていそう、という場合は、買わないか、購入前に販売者や都道府県の薬務主管課に確認するのが安全です。歯みがき剤やマウスウォッシュなど日常のケア用品の表示の見方は「ホワイトニング後の自宅ケア用品の選び方」で説明しています。

使って体調に異変があったとき・取引でトラブルになったとき

個人輸入や海外通販のホワイトニング剤を使って、歯がしみる・歯ぐきが痛む・口の中がただれるなどの異変を感じたら、使用をやめて、早めに歯科医院を受診してください。受診の際は、使った製品の容器・説明書・購入ページの画面などを持参すると、成分や使い方を伝えやすくなります。国民生活センターも、体調に異変が生じた場合は速やかに医療機関を受診するよう勧めています。

取引のトラブルや、制度について分からないことの相談先は次のとおりです。

困っていること相談先
体の症状歯科医院などの医療機関
国内の事業者との契約・返品・表示のトラブル消費者ホットライン188(最寄りの消費生活センターなどにつながる)
海外の事業者との取引のトラブル(商品が届かない、解約・返金に応じない など)国民生活センター 越境消費者センター(CCJ)
その製品を個人輸入してよいか、規制の対象か都道府県の薬務主管課、関東信越厚生局・近畿厚生局

越境消費者センター(CCJ)は、海外の事業者との取引でトラブルになった日本の消費者のための相談窓口で、海外の消費者相談機関と連携して相手方の事業者に相談内容を伝え、解決を支援しています(国民生活センター「相談」)。消費者ホットライン188の案内は消費者庁のページで確認できます(消費者庁「消費者ホットライン」)。

個人輸入の代わりに考えたい選択肢

「費用を抑えたい」「通院の時間がない」「自宅で続けたい」といった理由で個人輸入を考える人は多いと思います。目的に合わせて、国内で扱われている方法から選ぶことができます。

方法過酸化物歯科医師の診察向いている人
歯科医院のオフィスホワイトニング使う来院して受ける歯科医院で施術を受けたい人
歯科医院のホームホワイトニング使う(処方されたもの)来院して受ける自宅で続けたいが、型取りや経過の確認で通院できる人
オンライン診療後の在宅ホワイトニング使う(処方されたもの)オンラインで受ける(必要に応じて対面)通院の時間がとりにくく、自宅で続けたい人
セルフホワイトニング使わないなし歯の表面の着色汚れのケアをしたい人
日常の歯みがき・ケア用品製品の区分と成分表示で確認なし毎日のケアを見直したい人

費用は自由診療・サービスごとに異なり、どれが合うかは歯や歯ぐきの状態によって変わります。むし歯や歯周病がある場合は先に治療が必要なこともあるため、まず歯科医師に相談しましょう。

通院の負担を理由に個人輸入を考えている場合は、歯科医師のオンライン診療を受けたうえで、処方されたジェルを自宅で使う方法もあります。この形のサービスの一つに「どこでもホワイトニング」があります。オンラインで行えるかどうかは歯科医師が判断し、口の中の状態によっては対面での受診が必要です。

※どこでもホワイトニングは当サイトの運営会社(株式会社ピベルダ)の自社サービスです。

オンライン診療の制度や申し込み前の確認点は「オンライン診療で受ける在宅ホワイトニングとは」で詳しく説明しています。

ホワイトニングを試してみたい方へ

※ホワイトニングバーとどこでもホワイトニングは、当サイトの運営会社(株式会社ピベルダ)のサービスです。

よくある質問

Q. 海外通販でホワイトニング剤を買うこと自体は違法ですか?

A. 自分で使う目的で、数量の目安の範囲内であれば個人輸入できる製品もあります。ただし、医家向けの医療機器は一般の個人は輸入できず、個人輸入した製品を他の人に売ったり譲ったりすることも認められていません。その製品が規制の対象か迷う場合は、都道府県の薬務主管課や厚生局に確認してください。

Q. 海外製のジェルのほうが濃度が高くて効きそうです。使っても大丈夫ですか?

A. 安全かどうかをこの記事で判断することはできません。日本では、過酸化物で歯を漂白するホワイトニングは歯科医師が診察し、使ってよいかを判断したうえで行うものとされています。個人輸入品は日本の法律にもとづく品質・安全性の確認を受けておらず、健康被害が起きても公的な救済制度の対象になりません。使う前に歯科医師に相談してください。

Q. 日本語の通販サイトで買えば個人輸入にはなりませんか?

A. サイトが日本語でも、販売者が海外にいて商品が海外から直接送られてくる場合は、海外から買っていることになります。販売者の所在地・連絡先、発送元、容器の日本語表示と製造販売業者の記載を確かめましょう。

Q. 個人輸入したホワイトニング剤で歯がしみるようになりました。どうすればよいですか?

A. 使用をやめて、早めに歯科医院を受診してください。使った製品の容器・説明書・購入ページの画面を持っていくと、成分や使い方を伝えやすくなります。販売者とのトラブルは、国内の事業者なら消費者ホットライン188、海外の事業者なら越境消費者センター(CCJ)に相談できます。

Q. 余ったホワイトニング剤を友人に譲ったり、フリマアプリで売ったりしてもよいですか?

A. 個人輸入した医薬品等を他の人に売ったり譲ったりすることは認められていません。自分で使わないものは、処分の方法を自治体のルールで確認してください。

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参考資料

執筆:ホワイトニング総研編集部(株式会社ピベルダ) 情報の確認日:2026年11月4日