セルフホワイトニングサロンの開業費用はいくら?内訳と2つの試算例で解説

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セルフホワイトニングサロンの開業費用は、物件の形(テナント・マンションの一室・間借り)とブース数で大きく変わります。この記事では、開業を考えている人に向けて費用の内訳を項目ごとに示し、2つの仮定を置いた試算例で合計がどのくらいになるかを計算します。業界全体の「平均開業費用」は公的な統計がないため、自分の条件に当てはめて見積もるための考え方として読んでください。

開業費用は「初期投資」と「運転資金」に分けて考える

開業に必要なお金は、店をつくるための初期投資と、売上が安定するまで店を回すための運転資金の2つです。初期投資だけで資金計画を立てると、開業後に家賃や広告費の支払いで資金が足りなくなることがあります。

区分主な項目見積もりのポイント
物件取得費保証金(敷金)、礼金、仲介手数料、前家賃家賃の何か月分かは物件ごとに違う。契約前に見積書で確認する
内装・設備工事間仕切り、照明、電気容量、看板ブース数と個室か半個室かで変わる
給排水・洗面台うがい・歯みがき用の洗面台と配管物件に水回りがない場合は工事費が大きくなりやすい
LED照射機器照射器本体、予備のライト購入・リースの別、保守条件、故障時の対応を確認
什器・備品椅子、鏡、受付台、収納、消毒用品中古や既存品の活用で抑えやすい
初回の消耗品ジェル、マウスオープナー、紙コップ、歯ブラシ最低発注量と使用期限を確認
システム・Web予約システム、ホームページ、レジ初期費用と月額費用の両方を見る
開業時の広告予約サイトの掲載、チラシ、SNS広告開業前から予約を受け付けるかで金額が変わる
運転資金家賃、人件費、広告費、光熱費など数か月分月の固定費 × 何か月分を持つかで決める

参考までに、日本政策金融公庫総合研究所の「2025年度新規開業実態調査」では、全業種を合わせた開業費用の平均値は975万円でした。これはセルフホワイトニングに限った数字ではなく、業種や規模の違う開業をまとめた平均です。自分の店の見積もりは、次の試算例のように項目ごとに積み上げて出します。

仮定を置いた試算例:2つのケース

以下はすべて説明のための仮定です。実際の金額は地域・物件・業者の見積もりで大きく変わります。

  • ケースA:駅から徒歩圏の小規模テナント(約8坪)にブース2台。家賃は月12万円。水回りはなく、洗面台の工事が必要。オーナーのほかにアルバイトを置く。
  • ケースB:営業中の美容室などの一角を借りる間借り型でブース1台。間借り料は月5万円。既存の洗面台を使える。オーナー1人で運営する。
項目ケースA(テナント・2ブース)ケースB(間借り・1ブース)
物件取得費108万円(保証金6か月72万+礼金12万+仲介手数料12万+前家賃12万)10万円(間借りの保証金)
内装・設備工事120万円15万円(パーテーション等)
給排水・洗面台30万円0円(既存設備を利用)
LED照射機器50万円(25万円×2台)25万円(1台)
什器・備品25万円10万円
初回の消耗品10万円5万円
システム・Web15万円10万円
開業時の広告30万円15万円
開業手続き等の諸経費10万円5万円
初期投資の小計398万円95万円
運転資金(月の固定費×3か月)105万円(35万円×3)33万円(11万円×3)
必要資金の合計503万円128万円

計算の確認:ケースAの初期投資は 108+120+30+50+25+10+15+30+10=398万円、合計は 398+105=503万円。ケースBは 10+15+0+25+10+5+10+15+5=95万円、合計は 95+33=128万円です。

運転資金の元になる月の固定費は、次のように仮定しています。

月の固定費ケースAケースB
家賃・間借り料12万円5万円
人件費(アルバイト)12万円(時給1,200円×100時間)0円(オーナーのみ)
広告・掲載費5万円3万円
光熱費・通信費3万円1万円
システム月額1万円1万円
雑費2万円1万円
合計35万円11万円

どちらのケースもオーナー自身の生活費(役員報酬)は含めていません。自分の生活費を店の利益から出す場合は、その分も運転資金に上乗せして考えてください。

費用の差が出やすいのは物件と水回り

試算例のとおり、合計額を大きく左右するのは物件取得費と工事費です。物件の形ごとに、契約前に確かめたい点をまとめます。

物件の形費用面の特徴契約前の確認点
路面・商業ビルのテナント家賃と取得費は高めだが、通りがかりの人に見つけてもらいやすい電気容量、水回りの有無、看板を出せる位置、原状回復の範囲
マンションの一室家賃を抑えやすいが、看板が出せず集客はWeb頼みになる管理規約で店舗利用が認められているか、不特定の来客が許されるか、事業用契約か
商業施設内人通りは多いが、売上歩合の賃料や営業時間の決まりがある賃料の計算方法、内装の指定、営業時間と休業日
間借り・シェアサロン初期費用が最も小さい使える時間帯、洗面台の共用ルール、看板や予約サイトへの店名表記

居抜き物件(前の店の内装が残っている物件)は工事費を抑えられることがありますが、残っている設備の所有者や撤去費の負担は契約書で確認してください。

機器と消耗品の選び方

セルフホワイトニングでは、利用者が自分でジェルを塗りLEDライトを当てて、歯の表面の着色汚れをケアします。過酸化水素などの過酸化物を含む歯科用のホワイトニング材は医療機器として扱われ、使うかどうかは歯科医師が判断するものです(厚生労働省の回答、2025年4月)。サロンで使う機器とジェルは、この前提に合ったものを選びます。

  • 機器は本体価格だけでなく、保証期間、故障時の代替機、ライトの交換費用を見積もりに含める
  • リースやレンタルは初期費用を抑えられる一方、月額と契約期間の合計で比べる
  • ジェルは成分表示と取扱説明、最低発注量、使用期限を確認する
  • 機器の購入代金は、金額によって経費にする方法が変わる(少額減価償却資産の扱い)。国税庁のタックスアンサーを確認し、税理士に相談する

投資を何か月で回収できるかの考え方

回収期間は「初期投資 ÷ 毎月の利益」で計算します。毎月の利益は売上から変動費(ジェルなどの消耗品、決済手数料)と固定費を引いたものです。ケースAで、次の仮定を置いて計算します。

  • 営業時間10時間、1枠60分(案内と清掃を含む)、月25日営業 → 1ブースあたり月250枠、2ブースで月500枠
  • 1回あたりの平均単価3,000円(新規・回数券・月額会員の消化分を合わせた平均)
  • 1回あたりの消耗品300円、決済手数料は売上の3%
稼働率施術回数売上変動費固定費月の利益398万円の回収
30%150回45万円5.85万円35万円4.15万円約96か月
40%200回60万円7.8万円35万円17.2万円約23か月
50%250回75万円9.75万円35万円30.25万円約13か月

計算の確認:稼働率40%の場合、売上は 200回×3,000円=60万円、変動費は 200回×300円+60万円×3%=6万+1.8万=7.8万円、利益は 60-7.8-35=17.2万円、回収は 398÷17.2≒23.1か月です。

この表は、稼働率が10ポイント違うだけで回収期間が何倍も変わることを示しています。開業直後は稼働率が低い時期が続くのが普通なので、回収期間は楽観的な数字ではなく、低めの稼働率でも資金が尽きないかで判断してください。売上の組み立て方は「セルフホワイトニングサロンの売上・月商の考え方」、開業後の収支の見直しは「収支改善|損益分岐点と資金繰りの見直し方」で詳しく説明しています。

費用を抑えるときに削ってよいもの・削らないほうがよいもの

抑えやすいもの削らないほうがよいもの
内装の装飾(清潔感があれば最小限でよい)洗面台と衛生用品(利用者が毎回使う)
受付・待合の家具(中古や既存品)ブースのプライバシー(口を開けた姿を見られたくない人が多い)
開業時の広告の一部(開業前からSNSやGoogleマップの店舗情報を整えておく)同意書・説明資料の整備(効果の説明や禁忌の確認に使う)
機器の台数(最初は少なく始め、稼働を見て増やす)運転資金(ここを削ると開業後に広告を止めざるを得なくなる)

開業前に確認しておきたいルール

  • 扱える範囲:スタッフが利用者の口の中に触れたり、歯の状態を診断したりしない。過酸化物を含む材料は使わない。
  • 広告の表現:「必ず白くなる」など効果を保証する表現や、根拠のない比較は景品表示法上の不当表示になり得る。セルフホワイトニングは「歯の表面の着色汚れのケア」と説明する。
  • 回数券・月額プランの契約:国民生活センターは2025年7月、無料体験のあとに回数券や月額プランを急いで契約させられたという相談を紹介し、注意を呼びかけている。料金、契約期間、解約条件を書面で渡し、その場で決めさせない運用にする。
  • フランチャイズに加盟する場合:加盟金やロイヤリティ、解約条件が費用に加わる。確認点は「フランチャイズ加盟で失敗を避けるには」を参照。

法規制の詳しい整理は「セルフホワイトニングと医療機器の扱い」も参考にしてください。

よくある質問

Q. 100万円以下で開業できますか?

A. 間借りで既存の洗面台を使い、ブース1台・オーナー1人で始めるなら、初期投資を100万円前後に抑えられる場合があります。ただし運転資金を別に用意する必要があり、試算例のケースBでは初期投資95万円に運転資金33万円を足して128万円でした。

Q. 運転資金は何か月分あればよいですか?

A. 決まった基準はありませんが、売上がゼロでも固定費を払える期間として、この記事では3か月分で試算しました。集客に時間がかかりそうな立地や、オーナーの生活費も店から出す場合は、もっと多めに見ておくと安心です。

Q. 資格は必要ですか?

A. セルフホワイトニングは利用者が自分で行う形のため、歯科医師などの資格がなくても開業できます。その代わり、スタッフは口の中に触れない、診断をしない、過酸化物を使わないといった線引きを守る必要があります。

Q. 機器は購入とリースのどちらがよいですか?

A. 初期費用を抑えたいならリースやレンタル、長く使うなら購入が有利になることが多いですが、契約期間の総額、途中解約の条件、故障時の対応で比べてください。購入した場合の経費の扱いは税理士に確認しましょう。

Q. 回収期間はどれくらいを見込めばよいですか?

A. 稼働率と単価、固定費で大きく変わります。試算例のケースAでも、稼働率40%なら約23か月、30%なら約96か月と大きな差が出ました。自分の物件の固定費で、低めの稼働率から計算しておくのが安全です。

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参考資料

執筆:ホワイトニング総研編集部(株式会社ピベルダ) 情報の確認日:2026年10月29日